「天野祐吉のCM天気図傑作集〜経済大国から別品の国へ〜」を読んで思ったこと。

2014年02月24日

昨年末に、広告業界の巨星が逝った。天野祐吉である。氏との出会いは、久保田宣伝研究所の宣伝会議コピーライター教室に通った二十歳の頃に愛読していた「広告批評」という月刊誌だった。そのわかりやすい批評文は自分にとって広告の教科書のようなものだった。毎号、隅から隅まで読んでは糸井重里や仲畑貴志など一流コピーライターの仕事に羨望したことを思い出す。氏はテレビ番組「ニュースステーション」のご意見番として登場するようになってからも、さまざまな社会現象を「広告」というフィルターをとおしてコメントした。「広告」を「文化」に押し上げたのも、裏方であったコピーライターを文化人に押し上げたのも、天野祐吉の長年にわたる批評という形での広告業界PR活動があったからだと思う。
最近、刊行された「天野祐吉のCM天気図傑作集〜経済大国から別品の国へ〜」を読んでみると、昭和から平成へ、人々の意識とともに変化していった、広告表現の足取りをあらためて俯瞰することができる。天野祐吉がもし100歳まで生きていたとしたら、氏がおもしろがってくれるような広告表現が、これからも生まれ続けるのだろうか。広告制作に携わる全員の宿題かもしれない。(K)

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