伯母曰く、「ボタンは押したら凹むべき」だそうです
2016年08月29日
伯母曰く、「ボタンは押したら凹むべき」だそうです
高齢の伯母が「昭和の歌謡曲が聴きたいけれど、テレビではあまり聞けない」と嘆いていたので、家族で携帯音楽プレイヤーをプレゼントしようか、ということに。
本人に打診したところ、「そんな小さい物、すぐ無くすし、画面の文字は見えないし、そもそもどこを押せばいいのかわからない」とすぐ即却下。「小さくて邪魔にならないしら、軽いから持ち運びも便利だろう」というのはこちらの思い込みだったと反省。
伯母曰く、「テープレコーダーが一番扱いなれている。ラジオも聴けるといい」とのことだったので、ラジカセを求めて大型家電量販店へ足を運ぶと、目を引いたのは中堅メーカーのCDラジカセ。
大手メーカーの凹凸を極力そぎ落としたスマートなデザインものではなく、昔見た覚えのあるカセットレコーダーのボタンや音量調節つまみがこれでもかとばかりに飛び出したもので、お世辞にもおしゃれとはいえない外観。
機能の表示も「PLAY」でなく「再生」と日本語表記で、カセットテーププレイヤーにはオートリバース機能もないし、CDプレイヤーにはランダム再生機能すらもないけれど、伯母が求めているものに近い気がして、この機種を選んだところ、大当たり。 「説明書を読まなくて済むのがありがたい」「押すべきところが一目でわかるし、動作しているかも見ればわかるのがいい」と大変喜ばれました。
あらゆるツールが小さくなり、デザインが洗練されてゆく一方で、一部の人にとっての視認性や操作性が犠牲になってることもあるのだと、実感したのでした。(S)