地元なだけに行ってない場所がまだまだある
2017年04月20日
先週はあいにくの雨で、すっかり桜の見頃を逃してしまいましたが、まだ咲いている場所もあると聞いて、約20年ぶりに平等院まで足を伸ばしてみました。宇治川沿いのソメイヨシノは散り始めていましたが、庭園のしだれ桜は満開で、阿弥陀堂の朱塗りの柱とともに、新緑によく映えていました。
阿弥陀堂の柱は2014年の修理で塗り直されたものとのことで、以前訪れた時とは見違えるほど華やかになっていました。平安時代の人々が見たのはこちらの姿なのかと思うと感慨深いものがあります。
池を挟んで東側から西側の阿弥陀堂を仰ぎ拝むことで浄土の姿を表す形式の庭園を浄土式庭園というそうですが、この壮大で華やかな建物を当時の人が見れば現世に現れた浄土のように見えただろうと思います。
2001年にできたという平等院ミュージアムに立ち寄ると、修理のために取り換えられ保管されている初代鳳凰や梵鐘を間近で見ることができました。梵鐘などは国宝にもかかわらずガラス壁もなく展示されているし、同じく国宝の阿弥陀堂も時間予約制とはいえ堂内に入れるというのもよくよく考えればすごいことですね。次は藤の季節に来たいと思います。
境内も美術館も美しいし、参道のお店の茶そばも抹茶もおいしかったですが、一番印象に残ったのは、「目に入るものにはとりあえず入っておくわ」と宣言してトイレに駆け込んでいったおよそ60代女子の姿でした。あのバイタリティーにこの国は支えられてきたのだなとしみじみ思いました。(s)