心臓には気をつけて!「アイスバケツチャレンジ」

2014年08月25日

このところ、ネットでは「アイスバケツチャレンジ」が話題です。指名された人が、バケツに入った氷水をかぶるか、ALSの団体に寄付するという運動で、最近では日本の芸能人やスポーツ選手、政治家などもインターネットの動画サイトなどでチャレンジの様子を公開しています。ALSは、「筋萎縮性側索硬化症」という全身の筋力が低下して呼吸すら困難になるという難病で、この治療研究に寄付を呼びかける目的で、アメリカで始められたのがこのパフォーマンスだそう。チャレンジをした人が次にチャレンジする人を3人指名するというチェーンメール的な仕組みのため、動画サイトやSNSなどを通じて瞬く間に運動が広まっていったようです。
こうした運動が広まる背景には、患者数の少ない難病ほど、患者数が多い病気に比べて社会の認知が低く、研究資金が乏しく、治療研究が進みにくいという事情があります。もちろん資金さえあればすぐ治療法が見つかるほど難病の治療研究は簡単ではないし、多くの研究者の地道な努力と時間が必要です。ただ、治療法が確立されるまであと一歩のところまできているのに研究資金の不足で足踏みをしている難病があるとしたら、こうした運動が治療研究を進める一つの「きっかけ」になるかもしれません。
今回のアイスバケツチャレンジにも賛否両論の声がありますが、きっと「何もしないよりはよっぽどいい」のではないかと思います。単なるセレブたちのパフォーマンスや流行に終わることなく、何かの成果につながっていくことを願っています。ただ、氷水にチャレンジされる方、くれぐれも心臓に気をつけて。(UM)

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